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Chino’s room

euro2004を振り返って・・・


 今回のユーロはドラマがあり、まるで映画の一シーンを見させてもらっている感があります。フランスvsイングランドの逆転、スペイン、イタリア、ドイツといったヨーロッパのサッカーを代表してきたチームの予選リーグでの敗退、ギリシャの躍進!そして選手、ベンチとサポーターの天と地ほどに異なる表情が織り成す感情の吐露!この人間模様のドラマを見逃すのが惜しくて、できる限りライブで見る努力をしています。おかげで寝不足が続いています。しかし寝不足にもかかわらず、多くの試合は内容と展開が素晴らしく、眠いと感じるような退屈な流れを作り出すことはありません。

 これらの試合の中で、攻撃面で特に目を引いたプレーを幾つかあげて見ましょう。スペインvsギリシャでのラウルのヒールパスからモリエンテスが得点したシーン!スウェーデンのイブラヒモビッチがイタリアの守護神ブッフォンから得点した場面。ここでは空中で通常のボレーとは逆に回転してけった華麗なシュートを見せてくれました。またこの得点と同じように、オーウェンも通常の回転とは逆に回りながらボレーシュートを決めています。ポルトガルのドリブラー、クリスチアーナ・ロナウドも通常であれば左足でセンタリングをあげる場面で、右足のアウトでクロスを入れルイ・コスタのアシストをしています。これらのプレーを見ていて強く感じることは瞬間のひらめきということでしょう。つまり、彼らは一瞬の流れの中で感じたことに対し、感覚的にプレーしています。彼らがスーパスターになれたのも、こうしたプレーができるからでしょう。しかし、誰もこうしたプレーを彼らが日々のトレーニングのなかで繰り返し行っていたとは思わないでしょう。サッカーのゲームにおいては技術の習得を必要とするのではなく、一瞬の判断で感覚的にプレーできることの方が重要になることが多々見られます。サッカーの中には習得した技術を頭で考え選択し正確にプレーする場面と感覚的にプレーするというふたつの場面が混在しています。ということは、同じことを繰り返し行い、ある技術を習得するという一つの方法だけでは彼らに近づくことはできないということでしょう。

 私は日本サッカーの選手育成において一番欠けているのは、感覚的にプレーできる能力を引き出す努力をしていないという点にあるのではないかと感じています。例をあげるとマラドーナやジダンのプレーは子供には無理だからといって、すでに習得している基本練習を繰り返し行い、選手を型にはめてしまい、いつまでも前に進まないケース。選手がたまに見せる感覚的なプレーに対して、基本もできていないのにと言って、こうしたプレーを否定してしまっているケース。技術練習と言って、フェイントやドリブルのやり方や形ばかりを教え、一番大事な何時、どこで、どの場面でどの方向へ進んだらよいかを感じさせない方法で練習を推し進めているケース…などなど。

 こうした感覚的で独創性のあるプレーを排除するような病巣は残念ながら日本を代表するオリンピックチームまでに蔓延しています。相手や状況を見て判断することより、チームの決め事を重視していくというやり方には疑問を感じます。サッカーはチームの決め事で行うべきものではなく、ゲームの流れを感じ選手の判断で行うべきものではないでしょうか?つまり一番大切なことは、相手の形を見てプレーすることです。オリンピック代表チームが過大な評価を受けているような日本サッカー界の現状には不安を感じます。この様なチームのルールを徹底させるという方法論からは、前述したユーロにおける感覚的なプレーを行える選手は生まれてこないのではないでしょうか。

 私は、少年育成の段階では感覚を磨くトレーニングこそが何より重要だと考え、実践しています。「感覚トレーニング」を体験した選手達の中から、世界を代表するようなスーパープレイヤーが育ってくれることを願っています!


2004年7月
フットボールコミュニティーサッカースクール
ディレクター  千野 徹
<日本サッカー協会公認B級コーチ>


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